Nauto Safety Stories – 株式会社ディ・エス物流様 ドライバーの運転スコアを指導に活用。ナウト導入後、重大事故がゼロに

導入事例
May 7, 2021

株式会社ディ・エス物流
安全管理部 統括本部長
大林和宏 氏

 

1対1の安全運転指導
事故件数が前年の半数以下に

 

- 御社の事業内容を教えてください。

大林氏)主に食品全般の配送です。大衆割烹チェーンの「庄や」などを運営する庄やグループの企業として、全国650の飲食店舗への配送を行っています。東京・羽田営業所をはじめ、名古屋、関東甲信越に計9つの営業所があります。北関東の営業所などはスーパーなど量販店への配送がメインです。車両は現在約250台が稼働、ドライバーは400名ほどになります。

- 安全運転への取り組みについて、御社どのような取り組みを実施されてきたか教えてください。

大林氏)私たち安全管理部の主な業務は車両の運行管理になりますが、特に事故防止に関しては業務の80%以上を占めるほど力を入れています。一番多い時期は、年間40件ほどの事故が発生。改善のため、毎週のように営業所を回っては、ドライバーを1名ずつ、多い時では1日で50名ほどの対面指導を実施し、1年後には事故件数を17件まで減らすことができました。また、各管理者の指導・管理の精度を上げるために、外部業者に依頼して管理者向けセミナーを実施。計12回に分けて、運行管理からドライバーへの指導法など細かく教えていただきました。

- ドライバーの方一人ひとりに本社から直接指導をするという例は、御社のような大きな事業規模では珍しいことかもしれません。そのような体制で指導されていたのはなぜでしょうか?

大林氏)業務上、24時間常に人が出入りしている状態なので、集合研修が開催できなかったのが大きな理由です。ドライバーも勤務時間内ギリギリまで仕事をしているので、それ以外に講習の時間を設けるとなると負担がかかってしまいます。それならば、こちらから足を運んで短時間でも直接話した方が効果的ではないか、と考えて実施していました。

 

車には必ず死角がある
“もしも”を考え安全確認を

 

- 対面での指導は、どのような方法で行っていたのでしょうか?

大林氏)指導方法としては、YouTubeなどにアップされている事故発生時のドライブレコーダーの映像を見せたり、交通事故のニュースや事故速報など、実際に起こった事故に基づいた内容です。事故速報というのは、トラック協会に加盟する運送事業所が事故を起こしたときに、FAXで送られてくる速報のこと。その内容を見ると、右折・左折時の接触など、同じような事故がずっと続いていることがわかります。なぜ何度も同じような事故が起きてしまうのか?バックミラーに何も映っていなかったとしても、トラックには必ず大きな死角があることはドライバーもわかっていますよね。曲がるときに必ず「見落としているかもしれない」と意識して運転していれば、曲がる際に自然と徐行したり、場合によっては一時停止をしたりするはず。きちんと安全確認をしていれば事故は起こらないはずなのに、そういう基本的な動作ができていないから、何度も同様の事故が起きてしまうんです。

- これは一般車両のドライバーにも同じことが言えますが、運転に慣れれば慣れるほど、本来まず守らなければいけない基本的な安全確認を怠ってしまいがちです。ちょっとした気の緩みが、大きな事故につながる可能性は十分にありますね。

大林氏)はい。車両自体は会社の資産ですので、被害に遭われた方がいれば会社から損害金などを支払うことはできますが、罪を背負うのはドライバー自身。事故速報や事故の映像を見せて、ドライバーに「もし自分が事故を起こしてしまったらどうなるんだろう」と考えてもらう機会にしてもらいたいと思いながら指導していました。

 

ナウトで運転中の行動を把握
ベラスコアも指導の材料に

 

- 御社の安全運転への意識が非常に高いことがよく理解できました。そのなかで、ドライブレコーダーを導入するにあたってナウトを選んでいだいた経緯を教えてください。

大林氏)以前は外側の一点しか撮影できないドライブレコーダーを使用しており、車内も撮影できてドライバーの運転状況を確認できるドラレコに替えようと検討していたんです。一旦はSDカードタイプの他社製品を導入してみたのですが、データを引っ張り出して確認するのに非常に手間も時間も要するため、うまく運用できずにいました。どうしたものかと四苦八苦していたころに、たまたまナウトを紹介してもらう機会があり、テストで数台導入してみたんです。すると驚いたことに、ドライバーのわき見運転や、運転中に日報を書いていたり、伝票を見ていたり、食事をしていたり……思いもよらなかった映像が次々に上がってくる。これは全車両に導入しなければ、と考え、社長や副社長にも状況を説明してすぐに導入することが決まりました。

- 特に導入の決め手となったポイントや、役に立った機能はありますか?

大林氏)的確に、ピンポイントでイベント(※わき見運転、あおり運転などの危険挙動)の通知が入るところ。また、そのときの映像を短時間で確認でき、その映像をもとにドライバーに直接指示できること、これが選んだ決め手ですね。SDカードタイプだと、データを抜いて確認する、問題があった部分のみ切り取る、というようにどうしても工程が多くなってしまうのが手間だったので、それが解消されましたね。また、外部から「おたくの会社のトラックにあおられた」と、通報やクレームがあったときにも役立ちました。指摘された日時の状況をナウトで確認してみると、たしかにこちらが強引な割込みをしてしまっていた場合もありましたが、逆に相手の方が危険な運転をしていた場合もあったので。基本的には、イベントの通知が入ってきた時点で各営業所の運行管理者がチェックして、ドライバーが配送から戻ってきたら映像を見せながら直接指導、という体制を取っています。ただ、導入当初は管理者がうまく運用できず、どうすれば管理者がナウトを活用し適切に指導してくれるのかと、私は頭を抱えていました。

- ナウトを安全運転指導に活用してもらうために、どのような工夫をされたのでしょうか?

大林氏)営業所ごとのイベントの回数とベラスコア(※ナウト独自の算出方法で数値化した事故リスクのスコア)を毎月本社に報告しているのですが、「ベラスコアが90点以下のドライバーはどんなイベントが上がっているのかを記録し、提出しなさい」という指示を出しました。そこで、ナウトのデータをもとに、どの営業所が一人につき何回わき見をしているか、どんなイベントが上がっているかを表にしてまとめることにしました。ベラスコアが低かった人にどのような指導をしたかも記録して提出するよう各営業所に指示したところ、ようやくナウトを活用してくれるようになりました。それまではベラスコアが平均90点以上の営業所は2ヵ所しかなかったのですが、今ではほとんどの営業所が90点以上を獲得しています。だからといって安心せず、平均点以下のドライバーにはきちんと指導をするよう伝えていますが。このようにデータを容易に管理・書式化できるので、非常に活用しやすいと感じています。ただ映像を見て指導するだけではなく、「ベラスコアが90点以上になるような運転をしなければいけないよ」と指導することで、事故を未然に防げるようになるはず。せっかく良い機器を導入しているのだから、管理者にもうまく活用して欲しいと思います。

 

事故ゼロがドライバーを守る
初心に返り安全運転の意識を

 

- ナウトを導入してから、実際に効果があったと感じていることはありますか?

大林氏)大きな事故がなくなりましたね。構内での接触など、軽微な事故はなかなかなくなっていませんが、以前起こっていた重大かつ多額の費用が掛かるような事故は一つも起こっていません。以前は追突事故が一番多く発生していたのですが、今では一番少なくなりました。

- ドライバーの皆さんには、ナウトを導入することが決まった際、どのように説明していただいたのでしょうか?

大林氏)ナウトの導入を始めたころ、ドライバー一人ひとりに意見を聞いて回りました。中には「アラートが多い」「プライバシーがないように感じる」と言う人もいましたが、アラートが多いということはそれだけそのドライバーに危険挙動が多いということですし、また業務中は会社の監視下にあるということは理解してほしい。何より、事故を起こしてからでは遅いですから。「事故が起きればあなた自身も、あなたの家族も巻き込まれてしまう。そうならないために、会社は多額の費用をかけてでもあなたのことを守っているんだよ」ということを伝えました。事故をさらに減らすためには、ドライバーに意識を高く持ち続けてもらうしかありません。車というのは、免許を取りたての頃は誰もがぶつからないよう慎重に運転をしていたはずですよね。それが長い間運転していると、安全への意識がだんだん麻痺してくるもの。もう一度初心に返ることを大事にしてほしいですし、管理者にもそこに重点を置いて指導してもらいたいと考えています。

- 最後に、今後の御社の安全運転への取り組みについて、意気込みを教えてください。

大林氏)まず何よりも大切なことは、他人に害を与えないことです。トラックが走行するということは、鉄の塊がスピードという危険要素を伴って移動しているということ。ハンドルを握る人が安易な考えで運転すれば、取り返しのつかない事故になってしまいます。事故を起こさないことは、すなわち社員を守ること、社員の家族を守ることにつながります。ドライバーが改めて安全運転の精神を肝に銘じ、日々の運転業務に臨んでいれば、いずれ事故はゼロになるはず。そう信じて邁進するのみです。